2009年 02月 06日
26才と5ヶ月、生きた猫 その②
26才と5ヶ月生きた、ミー氏の話、その2です。
その1はこちら。
これが、天国に召される2日前のもの。
2006 年4月4日撮影。
ベランダのムスカリの花が咲いたので、
それを撮っていたなら、
「これ、Aさんや、自分も撮りなさい」
と、ミー氏自ら、出てきたのだそうです。
いつもはそんなことしないのに。
もう目も見えなくなっていたのに。
(↑手術後の最後の1年間だけです)
26才と5ヶ月。
遺影となりました。
花と撮らせるなんて、
なんてダンディな黒猫だったのでしょう。
そしてなんてかわいい翁でしょう。
猫も人間と同じ、
ここまで長老となると、
赤ちゃんのように、
愛らしい表情になるんですね。
きっと7つの大罪(欲望)が消え去るからかもしれません。
さて。ミー氏の食事のこと。
ミー氏は何と、
長い歳月、Aさんの愛情がトッビングされた、
手づくりごはんを食べていたのでした。
手づくりは栄養が偏る、なんて書いてある本もありますが、
個体差、環境の差、いろいろあるし、
一概には言えないのかもしれません。
ミー氏の食事には、
肉料理と魚料理の2つのコースがあり、
1、茹でた鶏のささみをこまかく割いたもの
2、なまり節を煮たもの(味つけなし)
基本はこの2つのメニューの繰り返しでした。
そしてときどき人間の食事のおこぼれ(^^)、
刺身(イカは特に大好物)や生の牛肉、
チーズなどをバクバク、食べる日々だったといいます。
「でも、安いものは、撥ねるんですよ。
なんて贅沢な、イヤなヤツ! って思ったものです(笑)」
と、Aさんは語ります。
ミー氏は食に対しての、
生きものとしての本能に長けていたのかもしれませんね。
しかし、歯は13才の1年間で、
牙を残して、全部、抜けてしまった。
グルメがたたったのだと思われます(笑)。
人間なら入れ歯を作るところですが、
猫は大きなものを割くとき以外は、
基本的に丸呑みですからね。
ミー氏の場合も、獣医師から「問題なし」と太鼓判を押され、
それで安心したのかどうかは知りませんが、
肉食動物の象徴である牙も、その後の2年間で、
順調に(苦笑)、抜け落ちたのだそうです。
「15才の時には、野性の獰猛さや勢いがなくなり、
それはむにゅっと情けない顔になってしまいました」
これは23才のときのミー氏です。
白髪まじりのダンディです。
白内障にもならず、難聴にもならず、
25才まで毎年健康診断を受けていましたが、
どこも悪くない状態でした。
尿道結石にもなったことがない。
「心臓がすごく強かったみたいなんですよ。
25才のときで、13才くらいの拍動の強さだと言われましたから。
骨そしょう症にもなってなかったし、肝臓(腎臓?)も健康でした」
そこの病院でも、長寿猫として有名で、
他の飼い主さんたちから、
「どうしたらそんな長生きさせられるんですか?」
「何を食べさせているんですか?」
と、長生きの秘訣について、たくさんの質問が寄せられたそうです。
それに対しての獣医師の見解は、
「基本的には、個体の生命力、個体の寿命」
たぶん医学的、データ的なことを超越してしまっていたのでしょう。
Aさんの家では、ミー氏を「グリーンマイル猫」と呼び、
「このままだと私のほうが先に逝ってしまうのではないかと
真剣に悩んだ時期もあったんですよ」
それがミー氏、25才のときでした。
<つづく>
その1はこちら。
これが、天国に召される2日前のもの。
2006 年4月4日撮影。
ベランダのムスカリの花が咲いたので、
それを撮っていたなら、
「これ、Aさんや、自分も撮りなさい」
と、ミー氏自ら、出てきたのだそうです。
いつもはそんなことしないのに。
もう目も見えなくなっていたのに。
(↑手術後の最後の1年間だけです)
26才と5ヶ月。
遺影となりました。
花と撮らせるなんて、
なんてダンディな黒猫だったのでしょう。
そしてなんてかわいい翁でしょう。
猫も人間と同じ、
ここまで長老となると、
赤ちゃんのように、
愛らしい表情になるんですね。
きっと7つの大罪(欲望)が消え去るからかもしれません。
さて。ミー氏の食事のこと。
ミー氏は何と、
長い歳月、Aさんの愛情がトッビングされた、
手づくりごはんを食べていたのでした。
手づくりは栄養が偏る、なんて書いてある本もありますが、
個体差、環境の差、いろいろあるし、
一概には言えないのかもしれません。
ミー氏の食事には、
肉料理と魚料理の2つのコースがあり、
1、茹でた鶏のささみをこまかく割いたもの
2、なまり節を煮たもの(味つけなし)
基本はこの2つのメニューの繰り返しでした。
そしてときどき人間の食事のおこぼれ(^^)、
刺身(イカは特に大好物)や生の牛肉、
チーズなどをバクバク、食べる日々だったといいます。
「でも、安いものは、撥ねるんですよ。
なんて贅沢な、イヤなヤツ! って思ったものです(笑)」
と、Aさんは語ります。
ミー氏は食に対しての、
生きものとしての本能に長けていたのかもしれませんね。
しかし、歯は13才の1年間で、
牙を残して、全部、抜けてしまった。
グルメがたたったのだと思われます(笑)。
人間なら入れ歯を作るところですが、
猫は大きなものを割くとき以外は、
基本的に丸呑みですからね。
ミー氏の場合も、獣医師から「問題なし」と太鼓判を押され、
それで安心したのかどうかは知りませんが、
肉食動物の象徴である牙も、その後の2年間で、
順調に(苦笑)、抜け落ちたのだそうです。
「15才の時には、野性の獰猛さや勢いがなくなり、
それはむにゅっと情けない顔になってしまいました」
これは23才のときのミー氏です。
白髪まじりのダンディです。
白内障にもならず、難聴にもならず、
25才まで毎年健康診断を受けていましたが、
どこも悪くない状態でした。
尿道結石にもなったことがない。
「心臓がすごく強かったみたいなんですよ。
25才のときで、13才くらいの拍動の強さだと言われましたから。
骨そしょう症にもなってなかったし、肝臓(腎臓?)も健康でした」
そこの病院でも、長寿猫として有名で、
他の飼い主さんたちから、
「どうしたらそんな長生きさせられるんですか?」
「何を食べさせているんですか?」
と、長生きの秘訣について、たくさんの質問が寄せられたそうです。
それに対しての獣医師の見解は、
「基本的には、個体の生命力、個体の寿命」
たぶん医学的、データ的なことを超越してしまっていたのでしょう。
Aさんの家では、ミー氏を「グリーンマイル猫」と呼び、
「このままだと私のほうが先に逝ってしまうのではないかと
真剣に悩んだ時期もあったんですよ」
それがミー氏、25才のときでした。
<つづく>
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集英社の編集者。
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by asokeiko | 2009-02-06 03:21 | よそ猫