26才と5ヶ月、生きた猫 その②

26才と5ヶ月生きた、ミー氏の話、その2です。
その1はこちら。
26才と5ヶ月、生きた猫 その②_e0156015_393674.jpg

これが、天国に召される2日前のもの。
2006 年4月4日撮影。


ベランダのムスカリの花が咲いたので、
それを撮っていたなら、
「これ、Aさんや、自分も撮りなさい」
と、ミー氏自ら、出てきたのだそうです。
いつもはそんなことしないのに。
もう目も見えなくなっていたのに。
(↑手術後の最後の1年間だけです)

26才と5ヶ月。
遺影となりました。

花と撮らせるなんて、
なんてダンディな黒猫だったのでしょう。

そしてなんてかわいい翁でしょう。

猫も人間と同じ、
ここまで長老となると、
赤ちゃんのように、
愛らしい表情になるんですね。

きっと7つの大罪(欲望)が消え去るからかもしれません。


さて。ミー氏の食事のこと。
ミー氏は何と、
長い歳月、Aさんの愛情がトッビングされた、
手づくりごはんを食べていたのでした。

手づくりは栄養が偏る、なんて書いてある本もありますが、
個体差、環境の差、いろいろあるし、
一概には言えないのかもしれません。

ミー氏の食事には、
肉料理と魚料理の2つのコースがあり、

1、茹でた鶏のささみをこまかく割いたもの
2、なまり節を煮たもの(味つけなし)

基本はこの2つのメニューの繰り返しでした。

そしてときどき人間の食事のおこぼれ(^^)、
刺身(イカは特に大好物)や生の牛肉、
チーズなどをバクバク、食べる日々だったといいます。

「でも、安いものは、撥ねるんですよ。
なんて贅沢な、イヤなヤツ! って思ったものです(笑)」
と、Aさんは語ります。

ミー氏は食に対しての、
生きものとしての本能に長けていたのかもしれませんね。

しかし、歯は13才の1年間で、
牙を残して、全部、抜けてしまった。
グルメがたたったのだと思われます(笑)。

人間なら入れ歯を作るところですが、
猫は大きなものを割くとき以外は、
基本的に丸呑みですからね。

ミー氏の場合も、獣医師から「問題なし」と太鼓判を押され、
それで安心したのかどうかは知りませんが、
肉食動物の象徴である牙も、その後の2年間で、
順調に(苦笑)、抜け落ちたのだそうです。

「15才の時には、野性の獰猛さや勢いがなくなり、
 それはむにゅっと情けない顔になってしまいました」

これは23才のときのミー氏です。
白髪まじりのダンディです。

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白内障にもならず、難聴にもならず、
25才まで毎年健康診断を受けていましたが、
どこも悪くない状態でした。
尿道結石にもなったことがない。

「心臓がすごく強かったみたいなんですよ。
25才のときで、13才くらいの拍動の強さだと言われましたから。
骨そしょう症にもなってなかったし、肝臓(腎臓?)も健康でした」

そこの病院でも、長寿猫として有名で、
他の飼い主さんたちから、
「どうしたらそんな長生きさせられるんですか?」
「何を食べさせているんですか?」
と、長生きの秘訣について、たくさんの質問が寄せられたそうです。

それに対しての獣医師の見解は、
「基本的には、個体の生命力、個体の寿命」
たぶん医学的、データ的なことを超越してしまっていたのでしょう。

Aさんの家では、ミー氏を「グリーンマイル猫」と呼び、
「このままだと私のほうが先に逝ってしまうのではないかと
 真剣に悩んだ時期もあったんですよ」

それがミー氏、25才のときでした。

<つづく>



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集英社の編集者。
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by asokeiko | 2009-02-06 03:21 | よそ猫

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